あなたは死ですら春の匂い










光が遮断されたプライベートルームで、いつも恥ずかしがり屋の彼女が、挑発するような瞳をこちらに向け全裸で直立していた。
幼い顔つきには似合わない、くびれた腰と無防備に晒された豊満な胸。 淫らな格好で、強い意志を灯した純真な瞳がこちらを鋭く睨んでいる。
自分の体が熱くなり、轟くような欲望が体中に駆け巡っていく。
カガリが自分に向ける、気高さが愛おしいと思う。


「抱きたいなら抱けばいいだろ。」


泣き腫らしたその目は、赤く腫れていた。
そうやって君はまた無言で俺を責めるんだな。
アスランはベッドの上でライターに火をつけ、タバコを吸った。


「おいで。」


カガリは誘われるように近付くと、アスランからタバコを奪って、その空いた唇に口付けた。
キスをしながらカガリはまだ長いタバコを灰皿に押し付ける。
愛の言葉も掛けずに、お互いに荒い息で求め合った。
金色の髪が枕の上で扇のように広がる。
欲望が暴れ出し、優しく触れることができない。


自分達は、きっと恋人と言うよりは、友達で、同志だった。
許しあう意味もわからず、お互いに求めていたのは自分達の心を許しあうことだった。



カガリの細い指から外された指輪。
それは彼女が俺に与えたのは自由と未来。


君はそうやって俺をまた追い詰めるんだな。
ただ抱き合って入れたならこんなにも深い傷はつかなかったはずだ。
どうしてあのとき、君の心まで欲しがってしまったのだろう。
優しさを求めても返ってくるのは自分達のエゴばかり。
確かな形を求めても空しくなるだけだというのに。



カガリの下部は自身の体液で濡れていた。
乱れたシーツを、カガリは縋るように握り、俺はそれを上目遣いで見ながら、汗と涙が混じった彼女の体をその曲線に沿って舌を這いずり回した。
たまに噛み付くようにキスをすると、カガリの体は陸に上がった魚のようにピクピクと震え、アスランはその反応を満足そうに眺めた。
アスランはサイドテーブルに片手を伸ばすと、避妊具を口で銜えその封を切った。



「あっ…ちょっと待っ……んっ…」



カガリは何か訴えるように紅い唇が戸惑うように動いていたが、アスランはそれをキスで抑え込んだ。
アスランは自分の堅く腫れ上がったものを先端だけ入れ、狭い空間に眉を顰めた。






俺はまた、彼女を泣かしているのかもしれない。




アスランは閉じた瞳の奥でそう思った。  













あなたは死ですら春の匂い 





























































thanks! 四葬

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